過払い金返還請求 大阪に関する発表
経済団体連合会(当時)は京都会議について、「一雇用や生産活動など、日本経済の先行きにいかなる影響を与えるか、また、所得や物価への波及など、国民生活にどのような影響を及ぼすかといった点を明らかにし、国民のコンセンサスを得た上で交渉に臨むべきである」と事前に意見を述べていた(注五)。
しかし、「産業界が、負うべき責務をもっぱら国民に押しつけようとするなら筋違いだ」などの当時の新聞の主張を眺めると、議定書に対する慎重な見方は社会全体の空気にかき消されたようだ。 京都議定書は賞賛に包まれて成立した。
しかし、二○○四年三月になっても発効せず、国際法としての効力はまだない。 米国が京都議定書を離脱、途上国も削減義務を負担する姿勢をみせないなど、各国の消極的な姿勢が目立つ。
前途は厳しい。 議定書は以下の二要件を満たしたあとで、九○日後に発効する。
五五カ国以上の国が議定書を批准する、全先進国(議定書附属書1国)の中で一九九○年におけるCO2排出量の合計が五五%以上を占める国が、議定書を批准することこの二点だ。 現時点では、約二○カ国が批准しているため一番目の条件は満たされた。
二番目の条件だが、約四割分の排出量を持つ先進国が批准し、九○年時点で一七・四%の排出量を持つロシアの動きを待つ状況だ。 しかし、そのロシアの動向が不透明になっている。
二○○三年六月にフランスで行われた主要国首脳会議(エビアン・サミット)でプーチン大統領は、「京都議定書には前向きだ。 ロシアは国際社会とともに働く用意がある」と発言した。
サミット共同声明でも、「議定書の署名国は発効に努力する」と言及された。 しかし、この言葉で予想された早期発効は、難しくなった。
同年九月にロシア科学アカデミーが、モスクワで「世界気候変動会議」を開催。 ここでロシア政府は京都議定書の批准時期を明言しなかった。
また、イラリオフ大統領補佐官そしてプーチン大統領は会議の歓迎スピーチの中できわどいジョークを放った。 「ロシアは北国なので、温暖化で気温が二、三度上がったところで問題はない。
かえってシェーバ(毛皮のコート)代の節約になるとすらいわれている」。 この発言は国際的な非難を浴びたが、大統領が温暖化問題に深い懸念を持っていないことがうかがえる。
従来から、ロシア政府内では、京都議定書に対する消極的な姿勢が示されていた。 経済発展・貿易省のツィカノフ次官は日本のメディアの取材に相次いで答え、「批准には経済的意義はないとの結論に達した」と言明。
二○○三年三月にこの結論を報告書にまとめ、各省庁の会議で主張した(注一)。 また同次官は同年四月に、「(批准は)早くても来年前半。
場合によってはさらにずれ込む」と発言した(注二)。 ロシアのカシャノフ首相は同年三月、日本の記者団との会見で「批准方針は不変」と明言。
しかし、ロシアは、二○○四年に世界貿易機関(WTO)の加盟交渉を行うが、これと京都議定書の批准が「関連する」とも語った(注三)。 議定書の批准を外交カードのひとつにするようだ。
ロシアから伝えられる報道や公表された情報も「京都議定書をめぐっては錯綜している状況だ」百本貿易振興機構、ロシアNIS課)という。 ロシアはソ連崩壊の影響で経済活動が縮小し、九○年当時に比べ温室効果ガスの排出量が減った。
ロシア政府はここに注目し、米国や日本など義務達成の難しい国に対して、ガスの排出権を売って利益を出すことを狙ってきた。 二○○○年時点では森林吸収源を考えないCO2だけで九○年比三三%減。
京都議定書の削減目標は同ゼロのため、仮にCO2に価値がつけば余剰排出権を売却できる。 日本政府筋などによると、ロシアは一トン当たり五○,二○○ドルでの販売を意図していたようだ。
しかし、現在各国で取引されている排出権は同五,一○ドル前後だ。 実離脱した米国、途上国の拒絶米国の動向はどうか。
ブッシュ米大統領は二○○一年三月に京都議定書からの離脱を表明した。 その理由について、主な発展途上国が意味のある参加をしていない、気候変動には不確実性が多い、経済の悪化やエネルギー価格の上昇など米国経済に与える悪影響がある、などを指摘している。
米国内には「米国の削減義務達成の可能性は低く、京都議定書に内在する偽りを避けた」(注茎とこの離脱を肯定的に受けとめる声もある。 米国の二○○二年の温室効果ガスの排出量は、九○年比で一○・九%の増加となった。
利面からロシアは京都議定書に積極的な関心を持ったが、メリットは失われつつある。 九七年時点と比べて、現在のロシアの状況は変わった。
ロシアは九六年の経済危機のショックから立ち直り、年率五%前後の高成長を二○○○年以降続けている。 石油輸出の好調が経済成長をけん引しており、ロシアは主要産油国の仲間入りをした。
また、イラク戦争後に亀裂の深まった米国との関係改善を模索している。 こうした中で、経済成長や石油貿易に悪影響を与えかねず、米国が離脱した京都議定書をロシアが支持するかは不透明だ。
ロシアは二○○四年三月に大統領選を控えている。 政治日程の中で、京都議定書の批准が優先的な地位を与えられるとは思えない。
プーチン大統領は慎重に損得を判断するだろう。 経済成長と人口の増加の続く米国では、社会的に大きな負担をしなければ、CO2の排出を減らすことはできない。
米国のピュー気候変動センターは、米国がCO2削減の政策を行わなければ、排出量は安い石油価格が続く場合に二○三五年には二○○○年比五○%増、最も少ないケースでも同一五%増加するとの試算を発表した。 二○○一年九月二日の米国同時多発テロ以来、米国の外交政策の中心は「テロとの戦い」という安全保障になった。
従来から米国では安全保障上の観点から、京都議定書を批判する動きがある(注六)。 また、二○○三年五月、自動車の排気ガス規制などを強く主張していた米国環境保護庁のホイットマン長官が辞任をした。
経済負担となる環境規制に一貫して消極的なブッシュ政権の姿勢を批判したようだ。 これらの状況を考えると、米国がブッシュ政権の問に京都議定書に復帰する可能性は低い。
米国は京都議定書とは別の枠組みを作って、温暖化問題に対応しようと試みている。 二○○二年二月自国のみの措置として、温室効果ガスについて二○三年までに総排出量ではなく、GDP当たりの排出量を一八%削減することを目標にした対策を発表。
経済界の自主的取り組みにも期待した。 ただ、これは自国での目標にすぎない。
二○○三年一月の一般教書演説で、ブッシュ大統領は技術開発によってCO2の排出抑制と温暖化防止を行う方針を発表。 水素燃料電池の研究などに政府が援助することを表明した。
また、CO2を石油や石炭の燃焼時に隔離し、海中や地中に貯蔵する固定化技術について、各国の技術協力を目指す国際憲章の樹立に動いた。 同年六月にこの「炭素隔離リーダーシップフオーラム」憲章は日米など一四カ国とEUが署名。
中国、インド、ブラジルなど京都議定書上の削減義務を負わない国も参加した。 さらに、米国は日米と温暖化防止のため、二国間でCO2の海洋での処分、電力損失が小さい電線材料の開発、各地の観測や気候変化予測などの分野で協力することに同年八月に合意した。
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前途は厳しい。 議定書は以下の二要件を満たしたあとで、九○日後に発効する。
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二番目の条件だが、約四割分の排出量を持つ先進国が批准し、九○年時点で一七・四%の排出量を持つロシアの動きを待つ状況だ。 しかし、そのロシアの動向が不透明になっている。
二○○三年六月にフランスで行われた主要国首脳会議(エビアン・サミット)でプーチン大統領は、「京都議定書には前向きだ。 ロシアは国際社会とともに働く用意がある」と発言した。
サミット共同声明でも、「議定書の署名国は発効に努力する」と言及された。 しかし、この言葉で予想された早期発効は、難しくなった。
同年九月にロシア科学アカデミーが、モスクワで「世界気候変動会議」を開催。 ここでロシア政府は京都議定書の批准時期を明言しなかった。
また、イラリオフ大統領補佐官そしてプーチン大統領は会議の歓迎スピーチの中できわどいジョークを放った。 「ロシアは北国なので、温暖化で気温が二、三度上がったところで問題はない。
かえってシェーバ(毛皮のコート)代の節約になるとすらいわれている」。 この発言は国際的な非難を浴びたが、大統領が温暖化問題に深い懸念を持っていないことがうかがえる。
従来から、ロシア政府内では、京都議定書に対する消極的な姿勢が示されていた。 経済発展・貿易省のツィカノフ次官は日本のメディアの取材に相次いで答え、「批准には経済的意義はないとの結論に達した」と言明。
二○○三年三月にこの結論を報告書にまとめ、各省庁の会議で主張した(注一)。 また同次官は同年四月に、「(批准は)早くても来年前半。
場合によってはさらにずれ込む」と発言した(注二)。 ロシアのカシャノフ首相は同年三月、日本の記者団との会見で「批准方針は不変」と明言。
しかし、ロシアは、二○○四年に世界貿易機関(WTO)の加盟交渉を行うが、これと京都議定書の批准が「関連する」とも語った(注三)。 議定書の批准を外交カードのひとつにするようだ。
ロシアから伝えられる報道や公表された情報も「京都議定書をめぐっては錯綜している状況だ」百本貿易振興機構、ロシアNIS課)という。 ロシアはソ連崩壊の影響で経済活動が縮小し、九○年当時に比べ温室効果ガスの排出量が減った。
ロシア政府はここに注目し、米国や日本など義務達成の難しい国に対して、ガスの排出権を売って利益を出すことを狙ってきた。 二○○○年時点では森林吸収源を考えないCO2だけで九○年比三三%減。
京都議定書の削減目標は同ゼロのため、仮にCO2に価値がつけば余剰排出権を売却できる。 日本政府筋などによると、ロシアは一トン当たり五○,二○○ドルでの販売を意図していたようだ。
しかし、現在各国で取引されている排出権は同五,一○ドル前後だ。 実離脱した米国、途上国の拒絶米国の動向はどうか。
ブッシュ米大統領は二○○一年三月に京都議定書からの離脱を表明した。 その理由について、主な発展途上国が意味のある参加をしていない、気候変動には不確実性が多い、経済の悪化やエネルギー価格の上昇など米国経済に与える悪影響がある、などを指摘している。
米国内には「米国の削減義務達成の可能性は低く、京都議定書に内在する偽りを避けた」(注茎とこの離脱を肯定的に受けとめる声もある。 米国の二○○二年の温室効果ガスの排出量は、九○年比で一○・九%の増加となった。
利面からロシアは京都議定書に積極的な関心を持ったが、メリットは失われつつある。 九七年時点と比べて、現在のロシアの状況は変わった。
ロシアは九六年の経済危機のショックから立ち直り、年率五%前後の高成長を二○○○年以降続けている。 石油輸出の好調が経済成長をけん引しており、ロシアは主要産油国の仲間入りをした。
また、イラク戦争後に亀裂の深まった米国との関係改善を模索している。 こうした中で、経済成長や石油貿易に悪影響を与えかねず、米国が離脱した京都議定書をロシアが支持するかは不透明だ。
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米国は京都議定書とは別の枠組みを作って、温暖化問題に対応しようと試みている。 二○○二年二月自国のみの措置として、温室効果ガスについて二○三年までに総排出量ではなく、GDP当たりの排出量を一八%削減することを目標にした対策を発表。
経済界の自主的取り組みにも期待した。 ただ、これは自国での目標にすぎない。
二○○三年一月の一般教書演説で、ブッシュ大統領は技術開発によってCO2の排出抑制と温暖化防止を行う方針を発表。 水素燃料電池の研究などに政府が援助することを表明した。
また、CO2を石油や石炭の燃焼時に隔離し、海中や地中に貯蔵する固定化技術について、各国の技術協力を目指す国際憲章の樹立に動いた。 同年六月にこの「炭素隔離リーダーシップフオーラム」憲章は日米など一四カ国とEUが署名。
中国、インド、ブラジルなど京都議定書上の削減義務を負わない国も参加した。 さらに、米国は日米と温暖化防止のため、二国間でCO2の海洋での処分、電力損失が小さい電線材料の開発、各地の観測や気候変化予測などの分野で協力することに同年八月に合意した。
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